技術英語とは何か
「技術英検(技術英語能力検定)」は、英語文書作成能力を客観的に評価する、国内唯一の資格です。
技術英検では、文法的に正確であることはもちろんのこと、明確、明瞭(ライティングの3C:
Correct、Clear、Concise)の要件を満たした英文であるかを評価します。
理系、技術系の分野を専門とする学生、エンジニアをはじめとするビジネスパーソンにとっては、
研究、仕事に直結する技術的な文書(論文、取扱説明書、仕様書、規格、各種指示文等)のスタイルの
違いを理解し、国際的に通用する英文に習熟しておかなければなりません。
技術英検で求められる「3C」の適用範囲は、理系、技術系にとどまりません。顧客とのビジネスメールや
社内文書、議事録、プレゼンテーション資料など、読み手を意識した「3C」の考え方は、すべてのビジネス
シーンで接するあらゆる文書を対象とするものです。
英語文書作成能力のレベル評価と能力向上に、ぜひ、技術英検をご活用ください。
「技術英検」概要について
級 | 対象 | 求められるスキル | 合格基準 | 検定料 | 実施時間 |
---|---|---|---|---|---|
プロフェッショナル |
対象 実務で科学技術分野を含む英語文書作成に携わる方 技術者・研究者 英語論文の執筆に携わる方 実務翻訳者 特許/知財翻訳者 |
求められるスキル 技術英語の3Cを理解し、正しく、明確に、簡潔に書くことができる。 実務文書の種類(マニュアル、仕様書、論文、eメール等)に応じてスタイルが異なることを理解しており、正しく使いわけることができる。 |
合格基準 合計で75%点以上の正解(150点以上)※ただし、得点が50%未満の解答が1問でもあると、合計得点に関わらず不合格 |
検定料 ¥17,000 |
実施時間 14:00~16:00 (120分) |
準プロフェッショナル |
合格基準 合計で60%以上の正解(120点以上) |
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1級 |
対象 ビジネスパーソン 技術者・研究者 科学技術分野の英語文書作成に携わる方・興味のある方 技術英語に興味のある生徒・学生 技術者・研究者を目指す生徒・学生 |
求められるスキル 科学技術に関する英文を読むことができる。3Cをベースに、英語実務文書の要約、議事録、eメール等の短文が書ける。 |
合格基準 合計で60%以上の正解 (120点以上) |
検定料 ¥9,000 |
実施時間 12:20~13:40 (80分) |
2級 |
求められるスキル 科学技術英語の語彙力があり、構文・文法を理解している。 |
合格基準 合計で60%以上の正解 (120点以上) |
検定料 一般受験¥6,900 団体受験 ¥6,400 |
実施時間 10:50~12:00 (70分) |
|
3級 |
求められるスキル 科学技術英語の基礎的な語彙力があり、構文の基礎を理解している。 |
合格基準 合計で60%以上の正解 (120点以上) |
検定料 一般受験¥3,600 団体受験 ¥3,500 |
実施時間 9:30~10:30 (60分) |
※検定料は税込価格
非ネイティブ同士でも通じる英語
「技術英語」に興味をもち、このサイトをご訪問いただいた皆さんは、全くの英語初心者ということはないはずです。
学校教育を修了し、業務上英語を必要とし、自己研鑽で日ごろから学習している方が多いでしょう。
現役の学生の方もいらっしゃるかもしれません。
皆さんが習得したい英語のイメージはどんなものですか?
― ネイティブと対等に話せるようになりたい?
― ネイティブにとって自然な表現を習得したい?
英語はビジネスの公用語です。でも国際社会はネイティブだけで構成されているわけではありません。
実際、非ネイティブの数は、ネイティブの数をはるかに上回っていて、英語を使うコミュニケーションの主体は、非ネイティブ同士である可能性のほうがずっと高いのです。
さらに、仕事は「会話」だけでは進展しません。ビジネスは「文書」で動くのです。
何となく会話が成り立ったとしても、Eメール、報告書、企画書、自社の商品説明、契約書、研究論文など、文書なしに仕事が前に進むことはないはずです。
「自分が英語を使って伝えたい相手は、ネイティブではない可能性が高いのではないか」
「身振り手振りのブロークンイングリッシュで楽しく英会話ができても、実務で必要な文書スキルが不足しているのではないか」
そこに気づくと、皆さんが習得すべき英語の方向性は、おのずと次のように決まります。
非ネイティブ間であっても「伝えたいこと」が「正確に」「わかりやすく」伝わる、「技術英語」
・・・・・ 方向性は定まりましたね。
「学校英語」を、実務で使える「技術英語」に
日本人は、学校の英語教育で「一般的な英語力」「基本的な文法力」を身につけています。
これは「技術英語」を学ぶ上での大切な基盤となります。活用しない手はありません。
シンプルな文型(SV/SVC/SVO)と能動態を中心に組み立てる「技術英語」の特徴は、実は英語本来の特徴というべきものです。
また「技術英語」を学ぶ副次的産物として、「日本語で書く力」も洗練されていくことが実感できます。
自身の「一般的な英語力」を、正しく・明確に・簡潔に伝わる「技術英語力」に変えること。
→ ネイティブのような、多彩で情緒豊かな表現の習得は、ひとまず置いておきましょう。
業務における非ネイティブ間の英語コミュニケーション力を向上させること。
→ 非ネイティブ間で正確に伝われば、それはネイティブにも正確に伝わります。
ひいては、自社の製品・技術を世界に向けて発信することができ、自身もともに成長すること。
→ 英語を、「目的」ではなく、情報発信のための「道具」にしましょう。
このイメージがもてれば、伝わる技術英語力は、必ずあなた自身のスキルになります。
技術英語の要となる“3C”の考え方
技術英語で一番大切なのは、「読み手」の立場になって書くことです。
初見で内容が正確に伝わり、かつ、こちらの意図するとおりに行動を起こしてもらうことが必要です。
そのために心がけるべきキーワードは「3つのC」。すべてはここから始まります。
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Clear(明確に)
Concise(簡潔に)
Correct(正確に)
|
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間違った英文:In case red LED is blinking, it is indicating error occurred.
相手にはこのように伝わります。伝えたい情報が全く伝わっていません。
「万が一赤いLEDが点滅している場合は、過去にエラーが発生したことを示しています」 -
3C視点に欠ける英文:In the case red LED is blinking, it indicates an error has occurred.
間違いではありませんが、伝えたい情報量に対し、文章が長くて読みづらいです。
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3C視点の英文:A blinking red LED means an error.
誤解を生まないだけでなく、読み手の負担にならないClear(明確)、correct(正確)、concise(簡潔)な英文です。「S+V+O」のシンプルな構文で、伝えたいことが表現できます。日本語に英単語を「充てる」のではなく、全体の意味をとらえて表現します。