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技術英検3級・2級に合格するための Grammar & Vocabulary (10)

 

福岡工業大学 教授 岡裏 佳幸

今回は、技術英検3級の和訳問題と2級の語彙問題を解いてみましょう。

 

技術英検3級Ⅰ改題<旧工業英検4級 第65回 (2006.11)>

次の(a)から(g)のそれぞれの文を和訳しなさい。

(a)   Computer scientists have developed computers that can recognize faces and language.

(b)   The world’s resources of oil will run out someday.

(c)   One-third of the emails I received today were advertisements.

(d)   Volcanoes on Mars are ten to a hundred times larger than those on Earth.

(e)   Sound travels in water about four and a half times as fast as it does in air.

(f)   After cutting all electric power, perform maintenance on the machine.

(g)   Any increase in the diameter will significantly increase the rigidity.

 

[解答・解説]

和訳問題において、文構造を正確につかむことが大切であることは、第2回の講義で説明しました。ここで、もう一度、確認しておきましょう。

通例、英語の文は、主要素である主部と述部とから成ります。そして、それぞれの中心となる語が、主語と述語動詞です。主語と述語動詞を正確に見極めることが、和訳問題においてとても重要です。普段から、英文を読む際には、なんとなく流し読みするのではなく、主語と述語動詞を十分に意識するように心掛けてください。

 

(a) コンピュータ科学者は、人の顔と言語を認識できるコンピュータを開発した。

関係代名詞は、関係詞節内において、主語、目的語、補語のいずれかになります。ここでは、関係代名詞thatの後に、助動詞+動詞+目的語が続いていることから、関係代名詞thatは主語の働きをしていることがわかります。

[語句]
scientistは「科学者」。
develop「開発する」。名詞はdevelopment「開発」「研究開発」research and development、またはR & Dといいます。
recognize「認識する」。名詞はrecognition「認識」

 

(b) 世界の石油資源は、いつか尽きてしまうだろう。

比較的易しい問題です。run out「(食料・資源などが)尽きる、なくなる」someday「(未来の)いつか」という意味で、some dayも同義です。

[語句]

resources「資源」alternative energy

    resources「代替エネルギー資源」

    forest resources「森林資源」

    human resources「人的資源」

    mineral resources「鉱物資源」

    natural resources「天然資源」

 

(c) 私が今日受け取った電子メールの3分の1は広告だった。

まず、one-third3分の1の意味。分数は、分子→分母の順に読みます。分子は基数詞、分母は序数詞を用います。序数詞は「~番目」という意味の表現で、firstsecondなど。また、分子が複数の場合、分母の序数詞に-sをつけます。たとえば、「3分の2」はtwo-thirds、「5分の3」はthree-fifthsとなるのです。

次に、文構造をみておきましょう。重要なのは、one-third of the emailsI received todayとのつながりです。ポイントは、I received todayの前に関係代名詞thatまたはwhichが省略されていることです。関係代名詞が省略できるのは、動詞の目的語になっているからです。他にも、関係代名詞を省略できる場合がありますから、文法書などで確認してみてください。

[語句]
receive「受信する」「送信する」send
advertisement「広告」=ad

 

(d) 火星の火山は、地球の火山の10倍から100倍の大きさである。

比較級やas ・・・ asのような原級による比較級の直前に置かれる~timesは、「~倍」を意味します。では、ten to a hundred timesは何倍でしょうか? 数詞+to+数詞は「~から・・・まで」を意味しますから、「10倍から100倍」のこと。

those on Earththoseは、前出の複数名詞の繰り返しを避ける場合に用います。those on Earthvolcanoes on Earthのことです。同様に、前出の単数名詞の繰り返しを避ける場合は、thatを用います。たとえば、The area of the rectangle is twice as large as that of the rhombus. において、thatは前出のthe areaを指しますから、「長方形の面積はひし形の2倍である」の意味です。

[語句]
volcano「火山」
Mars「火星」。他の惑星(planet)も覚えておきましょう。「水星」Mercury「金星」Venus「地球」(the) Earth「木星」Jupiter「土星」Saturn「天王星」Uranus「海王星」Neptuneです。また、惑星から外れて準惑星(dwarf planet)になった「冥王星」Pluto

 

(e) 音は水中では空気中の約4.5倍の速さで伝わる。

(d)の問題と同様に、倍数表現がポイントです。about four and a half times as fast as~ですから「~の約4.5倍速く」という意味。後続のit does in airdoesは代動詞と呼ばれ、前出の動詞を指します。travelsの代わりにdoesが用いられています。

[語句]
sound「音」
travel「(音・光などが)伝わる」

 

(f) 機械の保守は、電源をすべて切った後に行いなさい。

動詞のcutには様々な意味がありますが、後にall electric powerが続くことから、「(電気・ガスなど)の供給を止める、消す」という意味であることがわかります。turn offも同義です。

[語句]
electric power「電力」
perform「遂行する、行う」
maintenance「保守、メインテナンス」

 

(g) 直径が少しでも増加すると、剛性が著しく増加する。

any+単数名詞で「どんな~でも、いかなる~でも」の意味です。また、in the diameterinは「~において、~の点で」の意味ですから、Any increase in the diameter「直径におけるいかなる増加も」

[語句]
diameter「直径」「半径」radius
significantly「著しく」
rigidity「剛性」。形容詞はrigid「堅い」

 

 

次は技術英語2級の語彙問題です。

技術英検2級Ⅰ<工業英検3級 第65回 (2006.11)>

次の(a)から(j)の英語に、それぞれ相当する日本語を選び、その番号を解答欄に記入しなさい。

(a) substructure

  1. 改造 2. 破壊 3. 基礎

(b) precision

  1. 配列 2. 循環 3. 精度

(c) overload

  1. 概要 2. 過負荷 3. 過電圧

(d) inertial force

  1. 慣性力 2. 推力 3. 起電力

(e) durability

  1. 一貫性 2. 柔軟性 3. 耐久性

(f) eliminate

  1. 確認する 2. 除去する 3. 妨げる

(g) transition

  1. 転移 2. 輸送 3. 交換

(h) stationary

  1. 安全な 2. 固定の 3. 統計的な

(i) specimen

  1. 手順 2. 仕様書 3. 標本

(j) conservation

  1. 確認 2. 構成 3. 保存

[解答・解説]

(a) 3. 基礎

substructuresub-には「下」という意味があります。structure「建造物、建物」ですから、substructureの意味を推測するのは容易でしょう。

1.「改造」は対象によって使い分ける必要があります。すなわち、機械にはconversion、建物にはreconstructionrebuilding、組織にはreorganizationを用います。また、「改造する」という動詞は、それぞれconvertreconstructrebuildreorganizeとなります。

2.「破壊」destruction。反義語はconstruction「建設」の意味。「破壊する」の意味の動詞はdestroy。反義語はconstruct「建設する」

 

(b) 3. 精度

形容詞のprecise「正確な、精密な」。名詞はprecision3.「精度」の意味になります。

1.「配列」arrangementdispositionですが、「(分子中の原子の)配列」の意味ではconfigurationを用います。

2.「循環」circulationcyclerotationなどです。主として、circulation「(血液などの)循環」を、cycle「(繰り返される物事や手順などの)循環」を、rotation「(季節や人などの)循環」を表します。

 

(c) 2. 過負荷

名詞のloadには 「荷重、負担」などの意味があります。また、接頭辞のover-には様々な意味がありますが、ここでは「限界を超えた」の意味です。したがって、overloadの原義は「限界を超えた荷重、負担」、すなわち2.「過負荷」となります。

1.「概要」outline

3.「過電圧」overvoltagevoltage「電圧」の意味です。ちなみに、「過電流」を表す単語は何でしょう?「電流」currentです。これにover-をつけたovercurrent「過電流」を表します。

 

(d) 1. 慣性力

名詞のinertia「慣性」の意味です。形容詞はinertial「慣性の」inertial force「慣性力」の他に、inertial mass「慣性質量」inertial confinement fusion「慣性核融合」inertial guidance「慣性観測者」も覚えておきましょう。

2.「推力」thrustimpellentimpellent forceなど。

3.「起電力」electromotive forceです。形容詞のelectromotive「起電の」という意味。electromotive series「電気化学列」のこと。

 

(e) 3. 耐久性

形容詞のdurable「耐久性のある」という意味。名詞のdurability3.「耐久性」です。

1.「一貫性」consistency。形容詞はconsistent「一貫性のある」

2.「柔軟性」flexibilitypliability。形容詞はそれぞれ、flexiblepliable「柔軟性のある、曲げやすい」という意味。

 

(f) 2. 除去する

eliminate2.「除去する」の意味。eliminate A from BABから除去する」。名詞はelimination「除去」のこと。

1.「確認する」を意味する表現は様々ですが、状況によって使い分ける必要があります。重要なものを挙げておきましょう。confirm「(証拠・陳述などを)確認する」verify「(計算・仮説などが)正しいことを確かめる」make sure「(事実などを)確かめる」です。

3.「妨げる」hinder, disturb, hamper, obstruct, impedeなど。

 

(g) 1. 転移

名詞のtransition1.「転移」の意味。

2.「輸送」transportationpublic transportation「公共の交通機関」

3.「交換」exchangereplacementsubstitution「(部品などの)交換」のように新しいものに置き換える場合は、replacementsubstitutionを用います。また、ABに交換する」replace A with [by] Bsubstitute B for Aです。Aが古いもの、Bが新しいものに相当します。

 

(h) 2. 固定の

stationary「固定の、動かない」という意味の形容詞。stationary front「停滞前線」stationary state「定常状態」stationary wave「定常波」のこと。また、stationaryと同音のstationery「文房具、筆記具」です。

1.「安全な」safe

3.「統計的な」statisticalstatistical mechanics「統計力学」statistics table「統計数値表」のこと。tableには「表」の意味があります。たとえば、timetable「時刻表」the periodic table「周期表」conversion table「換算表」のことです。「統計学」statistics

 

(i) 3. 標本

specimen3.「標本」という意味。

1.「手順」processprocedure

2.「(機械などの)仕様書」specifications。形容詞のspecific「明確な、具体的な」。動詞のspecify「明細に述べる、仕様書に記入する」という意味。

 

(j) 3. 保存

conservationは名詞で3.「保存」の意味。conservation of mass「質量保存の法則」のこと。動詞はconserve「保存する」

1.「確認」confirmationverificationなどがあります。

3.「構成」constitutioncompositionformationorganizationなど。「構成する」の意味の動詞は、constitutecomposeformorganizeです。

 

(参考:工業英語ジャーナル 2009年9月号)