ジャーナルアーカイブ

ジャーナルアーカイブ

HOME > 技術英語を知る > ジャーナルアーカイブ > 技術英検3級・2級に合格するための Grammar & Vocabulary (8)

技術英検3級・2級に合格するための Grammar & Vocabulary (8)

 

福岡工業大学 教授 岡裏 佳幸

今回は、技術英検3級の英文完成問題から始めましょう。(a)から(e)の構造と用いられている単語をヒントに、問題を解いてみて下さい。

 

技術英検3級Ⅲ<旧工業英検4級 第64回 (2006.7)>

次の(a)から(e)につづくものとして、最も適当なものを下の1から5より選び、その番号を解答欄に記入しなさい。なお、1から5は1回しか使えません。

(a) Plants are made up of
(b) Criteria are guidelines or specifications
(c) Solar energy is widely used
(d) Edison’s theories were too difficult
(e) The spark plug is the device 

  1. to produce electricity all over the world.
  2. cells that contain chlorophyll.
  3. that ignites the air-fuel mixture.
  4. for the students to understand.
  5. that you decide on before designing something.

 

[解答・解説]

(a) 2.

主語のPlants「植物」be made up of 「~からできている」という意味の重要表現です。もちろん、ofのあとには名詞が来なければなりません。選択肢のうち、名詞から始めるものは、2. cells that contain chlorophyllだけです。念のため、意味を確認しましょう。cells「細胞」。後続のthat contain chlorophyllは関係詞節です。関係代名詞thatの先行詞はcells。他動詞のcontain「~を含む、入れている」という意味。chlorophyll「葉緑素」です。したがって、cells that contain chlorophyllは「葉緑素を含む細胞」となります。

[]
植物は葉緑素を含む細胞からできている。

 

(b) 5.

この問題は、単語の意味がわかるかどうかがポイント。まず、主語のCriteria「基準」です。次に、be動詞のあとのguidelines「指針」specifications「仕様書」のことです。ここまでで、S+V+Cという文が成り立っています。あとは、この文型を崩さないように、選択肢のなかで、criteriaguidelinesspecificationsと関連のある表現を含むものを見つければよいでしょう。5. that you decide on before designing somethingには「設計する」という意味のdesignがありますから、これが正解です。このthatも関係代名詞で、先行詞はguidelines or specificationsです。

[]
基準とは、何かを設計する前に決定する指針や仕様書のことである。

 

(c) 1.

solar energy「太陽エネルギー」、副詞のwidely「広く」の意味。is usedは、もちろん受動態ですから、Solar energy is widely usedは「太陽エネルギーは広く利用されている」という意味。solar energyと関連のある選択肢は、1. to produce electricity all over the worldです。electricity「電気」の意味であることがわかれば、正解を導き出せるでしょう。produce「~を生み出す」という意味の他動詞。to produceは「生み出すために」の意味ですから、目的を表す不定詞です。all over the world「世界中で、世界中に」

[]
太陽エネルギーは、電気を生み出すために世界中で利用されている。

 

(d) 4.

この問題のポイントは、too difficultです。このあとに続くものとして、to不定詞が考えられます。まず、1. to produce electricity all over the worldは、意味の上でも、構造の上でも、使用することはできません。残る選択肢は、4. for the students to understand.です。文全体は、Edison’s theories were too difficult for the students to understand.となります。too to doは「とても~なので…できない」という意味です。to不定詞は否定の意味になることに注意してください。また、ここでは、for the studentsto understandの意味上の主語であり、文の主語であるEdison’s theoriesto understandの意味上の目的語であることにも、注意が必要です。

[]
エジソンの理論は、学生にとっては理解しがたいものである。

 

(e) 3.

まず、文構造を確認しておきましょう。The spark plug is the deviceは、S+V+Cで文が成り立っています。spark plug「点火装置」device「装置」ですから、「点火プラグは、装置である」という意味。もちろん、spark plugと関連のある表現を含む選択肢を選ばなければなりません。ignitesair-fuel mixtureがヒントになるでしょう。ここでのigniteは他動詞で「~に点火する」air-fuel mixture「空気燃料混合物、混合気」ですから、正解は3. that ignites the air-fuel mixture.です。このthatも関係代名詞で、先行詞は直前のthe deviceですから、関係詞節によって、どのような装置であるかを説明しているのです。

[]
点火プラグは、空気燃料混合物に点火する装置である。

 

次は技術英検2級の語彙問題です。今回は、難しい問題も含まれています。難易度の高い選択肢もたくさんありますね。

技術英検2級Ⅳ<旧工業英検3級 第59回 (2005.1)>

次の(a)から(j)の日本語に、それぞれ相当する英語を選び、その番号を解答欄に記入しなさい。

(a) 土木工学

1. civil engineering 2. sanitary engineering 3. mechanical engineering

(b) 微生物

1. microstructure 2. microscope
3. microbe

(c) 放物線

1. hyperbola 2. parallelism 3. parabola

(d) 現象

1. phenomenon 2. hemisphere
3. atmosphere

(e) 分数

1. integer 2. fraction 3. variable

(f) 変圧器

1. transformation 2. transformer
3. transmission

(g) 性能

1.performance 2. precision
3. maintenance

(h) 対角線

1. dialysis 2. diagonal 3. diameter

(i) 欠陥

1. deflection 2. disposal 3. defect

(j) 同等の

1. equivalent  2. prevalent  3. proportional

 

[解答・解説]

(a) 1. civil engineering

engineeringには「工学」の意味があります。1. civil engineering「土木工学」のことです。

2. sanitary engineering「衛生工学」。形容詞のsanitary「衛生の」という意味。sanitary science「衛生学」

3. mechanical engineering「機械工学」形容詞のmechanical「機械学の、機械の」という意味です。mechanical energy「機械エネルギー」のこと。また、mechanics「機械学、力学」

 

(b) 3. microbe

接頭辞のmicro-は、「微」、「小」、「顕微鏡でしか見えない」の意味。3. microbe「微生物」のことです。microorganismともいいます。

1. microstructure「微細構造」の意味。structureはもちろん「構造」です。

2. microscope「顕微鏡」microscopeを用いた表現をいくつか挙げておきましょう。light microscope「光学顕微鏡」のこと。optical microscopeともいいます。electron microscopeは「電子顕微鏡」。また、scanning electron microscope「走査型電子顕微鏡」です。

 

(c) 3. parabola

3. parabolaには「放物線」の他に、「パラボラ」の意味があります。後者の形状がわかれば、前者の意味が浮かびますね。

1. hyperbola「双曲線」

2. parallelism「平行、類似、対応」の意味。形容詞のparallel「平行な、並列の」という意味です。parallel lines「平行線」parallel connection「並列接続」のことです。ちなみに、「直列接続」series connectionです。

 

(d) 1. phenomenon

1. phenomenonの複数形はphenomenaです。natural phenomenon「自然現象」medical phenomenon「医学的現象」のこと。
2. hemisphere「半球」です。接頭辞のhemi-には「半」の意味があります。sphereはもちろん「球」のこと。the Northern Hemisphere「北半球」the Southern Hemisphere「南半球」
3. atmosphere「大気、雰囲気」。形容詞はatmospheric「大気の」atmospheric pollution「大気汚染」atmospheric pressure「大気圧」atmospheric discharge「空中放電」のこと。

 

(e) 2. fraction

2. fraction「分数」frictionを混同しないように気をつけましょう。friction「摩擦」です。
1. integer「整数」
3. variableは名詞では「変数」、形容詞では「変数の、可変の」という意味。variable capacitor「可変コンデンサ」variable condenserともいいます。variable resistor「可変抵抗器」

 

(f) 2. transformer

接頭辞のtrans-には「越えて、横切って、他の側へ」の意味があります。transformtrans- + form「形」ですから、「変形させる」という意味。接尾辞の-er-orと同様に、「~する者・物」ですから、2. transformer「変圧器」

1. transformationは、transform + -ationです。接尾辞の-ationは「動作・状態・結果」の意味の名詞を作りますから、transformation「変形、変換」の意味です。

3. transmissionをみてみましょう。まず、trans- + -mit「送る」で動詞のtransmitになり、「送る、伝える、伝導する」です。これに、接尾辞の-sionがつくと、transmissionになります。-sionは「動作・状態」を表す抽象名詞を作ります。transmission「伝達、通信、伝動、トランスミッション、変速機」など、様々な意味で用いられます。automatic transmission「自動変速装置」transmission line「送電線」。また、transmitterは、transmit + -erですから「送信機」のことです。

 

(g) 1. performance

1. performanceには「性能」の他に、「実行、遂行、演奏」などの意味があります。動詞はperform「成し遂げる、演奏する」
2. precisionは、名詞では「正確さ、精度」、形容詞では「精密な」という意味です。また、形容詞のprecise「正確な、精密な」
3. maintenance「メンテナンス、維持管理、持続、整備」のこと。動詞はmaintainで、「~を維持する、保つ、整備する、保守する」という意味で他動詞。

 

(h) 2. diagonal

2. diagonaldia-「横切って」 + -gonal「角」で「対角線」です。また、diagonalには形容詞で「対角線の」という意味もありますから、diagonal lines「対角線」の意味で用いられます。
1. dialysis「分離、分解、透析」の意味。かなり難易度の高い単語です。artificial dialysis「人工透析」のこと。
3. diameterdia- + -meter「測定すること」ですから、「直径」。ちなみに、「半径」radiusです。

 

(i) 3. defect

3. defect「欠陥、欠点」という意味の名詞です。形容詞はdefectiveです。defect + -ive「~の性質をもつ、傾向のある」ですから、defective「欠陥のある」です。defective parts「欠陥部品」defective goods「欠陥商品、不良品」defective virus「欠損ウィルス」。また、defective number「不足数」のことで、deficient numberともいいます。
1. deflectionはかなり難しい単語ですね。まず、動詞のdeflectde-「分離」 + flect「曲げる」ですから、「曲折させる・する」という意味です。flectの意味はflexible「曲げやすい、融通の利く」の意味であることからも、推測できるでしょう。deflectに接尾辞の-ionがつくと名詞のdeflectionになります。「屈折、偏向、偏差、歪み」という意味です。
2. disposalについても、まず動詞をみておきましょう。動詞はdisposeで「処理する、配置する」。接尾辞の-alは動詞につくと、「~の、~に関する」の意味になりますから、名詞のdisposal「処分、配置」のことです。

 

(j) 1. equivalent

「同等の」を意味するequivalentの用法をみておきましょう。be equivalent to で「~に等しい」という意味になります。たとえば、The area of the triangle ABC is equivalent to that of the triangle XYZ.は「三角形ABCの面積は三角形XYZの面積に等しい」という意味です。

2. prevalentは形容詞で「普及している、流行している」の意味。動詞はprevail「普及する」
3. proportionalは形容詞で「比例する、比例した」a is proportional to bは「abに比例する」という意味です。「abに正比例する」はa is directly proportional to b、「abに反比例する」はa is reversely proportional to bとなります。

 

ここで応用問題を一つ。ボイルの法則(Boyle’s law)を英語で読むことはできますか?

 

(参考:工業英語ジャーナル 2009年3月号)