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技術英検3級・2級に合格するための Grammar & Vocabulary (2)

 

福岡工業大学 教授 岡裏 佳幸

前回は、技術英検3級の語彙問題と2級の空欄補充問題を通して、200以上の語彙を学習しました。
第2回は、3級の和訳問題と2級の語彙問題を解説していきましょう。
まずは、3級の和訳問題です。
実際の試験では、英文の意味を4つの選択肢から選ぶ問題ですが、誌面の都合上、問題形式を変更しています。

 

技術英検3級Ⅰ改題<旧工業英検4級 第65回 (2006.11)>

次の(a)から(g)のそれぞれの文を和訳しなさい。

(a)  What is perhaps most striking about the bridge is its modern appearance.

(b)  Some allergic reactions can be so extreme that they are life-threatening.

(c)  This metal does not melt until its temperature exceeds 1,000 degrees Celsius.

(d)  It cost us $10,000 to have the machine tool repaired.

(e)  CRT displays are being replaced with liquid crystal displays.

(f)  A reservoir is a lake that is used to store water.

(g)  The infected computer comes in contact with an uninfected piece of software.

 

[解答・解説]

英文は、通例、主要素である主部と述部とから成り、それぞれの中心となる語が主語と述語です。
和訳問題において重要なことは、主語と述語を正確に見極めることです。
普段から、英文を読む際には、主語と述語を十分に意識するように心掛けてください。

 

(a) ひょっとするとその橋について最も際立っているものは、その現代的な外観かもしれない。

関係代名詞のwhatは、先行詞の働きを兼ねていますから、the thing(s) whichと同じく、「~もの、~こと」の意味です。
What is perhaps most striking about the bridgeが文の主部で、「ひょっとするとその橋について最も顕著なこと」の意味。

[語句]
・  perhaps「ひょっとすると」
・  striking「顕著である、目立つ」
・  modern「現代的な、最新式の」
・  appearance「外観」

 

(b) アレルギー反応の中には、生命を脅かすほどひどいものもある。

ここでのcanは「~することもありうる」の意味で、可能性を表します。
so A that は、基本的には、「とてもAなので~」という結果の意味と、~ほどAである」という程度の意味で用いられます。
文によっては、両者を明確に区別できる場合もありますが、いずれにも解釈できる場合もあります。
that節内のtheyは、some allergic reactionsのこと。

[語句]
・  allergic reaction「アレルギー反応」
・  extreme「ひどい、極度の」
・  life-threatening「生命を脅かす」

 

(c) この金属は摂氏1,000度を超えると溶け始める。

接続詞のuntilは、「~までずっと」の意味で継続を表します。
its temperaturethe temperature of this metalのこと。
「この金属は、摂氏1,000度を超えるまで溶けない」という意味。視点を変えると、解答のように、「この金属は摂氏1,000度を超えると溶け始める」となります。

[語句]
・  metal「金属」
・  melt「溶ける」
・  temperature「温度」
・  exceed「~を超える」他動詞
・  1,000 degrees Celsius「摂氏1,000度」

 

(d) その工作機械を修理してもらうのに1万ドルかかった。

It costs + + 金額 + to doは「(人が)~するのに(金額)がかかる」という意味です。
ここでは、主語がItであるにもかかわらず、三単現の-sがついていませんから、costは過去形であることがわかります。
また、have + A + B(状態)は「AB(の状態)にする」です。
repairは他動詞で「修理する」。ここでは、Bには他動詞repairの過去分詞形が用いられています。
前回学習したように、他動詞の過去分詞形は「~される」という受動を表しますから、have the machine tool repairedは「工作機械を修理される状態にする」、すなわち「工作機械を修理してもらう」となります。

It costs + + 金額 + to doとよく似た形式の表現を挙げておきましょう。
It takes + 人・物 + 時間 + to doの形式は、「(人・物が)~するのに(時間)がかかる」という意味です。

[語句]
・  the machine tool「工作機械」

 

(e) CRTディスプレイは、液晶ディスプレイに取って代わられつつある。

本問で注意すべき点は、現在進行形と受動態が同時に用いられていることです。
まず、replace A with Bは「ABと取り替える」という意味。
ここで、Aに相当するのはCRT displaysBに相当するのはliquid crystal displaysです。
CRT displays (=A) are being replaced with liquid crystal displays (=B).において、arebeing-ingが現在進行形を表し、beingbereplacedが受動態を表しています。

[語句]
・  CRT = cathode-ray tube 「ブラウン管、陰極線管」
・  liquid crystal display 「液晶ディスプレイ」

 

(f) 貯水池は、水を貯めるために使われる人工池である。

前半のA reservoir is a lakeは「貯水池は湖です」の意味。直後のthatは関係代名詞で、先行詞はa lake
ですから、that is used to store water「水を貯めるために使われる」は、先行詞であるa lakeを修飾しています。

技術英検では、be used to doは頻出表現です。「~するために使われる」という意味です。
Solar energy is widely used to produce electricity all over the world.
は「太陽エネルギーは、発電するために世界中で広く使われる」
Liquid nitrogen is used to keep high-temperature superconductors cold.
は「液体窒素は、高温の超伝導体を冷却しておくために使われる」の意味です。

[語句]
・  reservoir「貯水池」
・  store「蓄える、貯める」

 

(g) ウィルス感染したコンピュータは、感染していないソフトウェアと接触する

come in [into] contact with は「~と接触する」という意味で、動作を表します。
「~と接触している」という状態の意味では、be in contact with を用います。

[語句]
・  infected「感染した」⇔ uninfected「感染していない」

 

それでは、次に2級の語彙問題を解いてみましょう。前回の3級の語彙問題に比べると、かなり難易度の高い問題です。

 

技術英検2級Ⅰ<旧工業英検3級 第64回 (2006.7)>

次の(a)から(j)の英語に、それぞれ相当する日本語を選び、その番号を解答欄に記入しなさい。

(a) geometry

1. 電磁気学 2. 幾何学 3. 地理学

(b) inverse proportion

1. 反比例 2. 正比例 3. 逆関数

(c) arrow

1. 配列 2. 表題 3. 矢印

(d) incorporate

1. 組み入れる 2. 改良する 
3. 正当化する

(e) manipulate

1. 発生する 2. 操作する 
3. 最適化する

(f) sufficient

1. 効率のよい 2. 予備の 3. 十分な

(g) priority

1. 予防 2. 優先 3. 規定

(h) shrinkage

1. 縮み 2. 伸び 3. ねじれ

(i) tolerance

1. 飽和 2. 拡散 3. 公差

(j) potential energy

1. 運動エネルギー 2. 位置エネルギー3. 弾性エネルギー

 

[解答・解説]

(a) 2. 幾何学

geometryは、geo-「土地、地球」+-met「測定する」+-ry「~術」ですから、「土地の測定術」、すなわち「幾何学」のことです。
「平面幾何学」はplane geometry、「立体幾何学」はsolid geometry。形容詞は「幾何学的な」ですからgeometric(al)
他にgeo-を用いる単語には、geology「地質学」があります。

1.「電磁気学」はelectromagnetics。electro-「電気の」+magnet「磁石」+-ics「~学」です。
 electromagnetismともいいます。electromagnetは「電磁石」のこと。
 electromagnetic disturbanceは「電磁波障害」、electromagnetic inductionは「電磁誘導」、electromagnetic waveは「電磁波」です。
 electromagneticsの他に、-icsを用いる単語には、mathematics「数学」、physics「物理学」などがあります。

3.「地理学」はgeography。geo-「土地」+-graphy「記述する方法」です。

 

(b) 1. 反比例

2.「正比例」はdirect proportion。また、
 「~に比例する」はbe proportional to ~ですから、
 「aはbに比例する」は、a is proportional to bとなります。
 ちなみに、
 「aはbに正比例する」は、a is directly proportional to b
 「aはbに反比例する」は、a is inversely proportional to bです。

3.「逆関数」はinverse function
 「指数関数」はexponential function、「集合関数」はset function、「代数関数」はalgebraic functionです。

 

(c) 3. 矢印

1.「配列」はarrangement。「原子の配列」はan arrangement of atomsです。
2.「表題」はtitle。「表題別の配列」は、arrangement by titlesまたはarrangement according to titlesとなります。

 

(d) 1. 組み入れる

incorporateは「組み入れる、取り込む」。名詞はincorporationで「組み入れ、取り込み」。

2.「改良する」はimproveです。名詞はimprovementで「改良」。improved varietyは「改良種」のこと。

3.「正当化する」はjustify。名詞は「正当化」ですから、justification

 

(e) 2. 操作する

manipulateは「(機械などを)操作する、巧みに手で扱う」という意味。
名詞はmanipulationで「巧みな操作」、形容詞はmanipulativeで「操作的な、巧みに扱う」です。
また、manipulatorは「マニピュレーター」のこと。
接頭辞のman(i)-は「手」を意味しますから、
manualは「手引書、マニュアル」、manufactureはmanu-「手」+fact「作る」+-ure「動作、状態」で、「製造、製造する」の意味です。

1.「発生する」はoccur。「発生」はoccurrenceです。「森林火災の発生」はthe occurrence of a forest fire

3.「最適化する」はoptimize。「最適化」はoptimization
 また、optimumは形容詞で、「最適の、最高の」という意味。
 たとえば、「最適プログラミング」はoptimum programming、「最大感度」はoptimum sensitivityといいます。

 

(f) 3. 十分な

sufficientは、suffice「十分である」+-ent「性質、状態」ですから、「十分な」の意味になります。
反意語はinsufficientで「不十分な」。

1.「効率のよい」はefficient。「効率」はefficiencyです。
 「燃料効率」はfuel efficiency、「機械効率」はmechanical efficiency、「熱効率」はthermal efficiency、「エネルギー効率」はenergy efficiency

2.「予備の」はspareまたはpreliminaryですが、spareは「余分の、交換用の」という意味であるのに対して、
 preliminaryは「準備の、前置きの」という意味になります。
 「スペアタイヤ」はspare tire、「予備調査」はpreliminary surveyです。

 

(g) 2. 優先

priorityは、prior「優先的な」+-ity「状態、性質」です。prior to ~は「~より前に」の意味で、before ~と同義です。

1.「予防」はprevention。「さびの防止、防錆(ぼうせい)」はrust prevention、「事故防止」はaccident preventionです。

3.「規定」はstipulationprovisionregulationsruleなど。

 

(h) 1. 縮み

shrinkageは、shrink「縮む」+-age「結果」です。

2.「伸び」はstretchですが、他に「伸長、伸長力」の意味もあります。
 また、expansionにも「伸長」の意味がありますが、「膨張、膨張度」の意味でも用いられます。

3.「ねじれ」はtwistwrench。いずれも、動詞としても用いられますが、両者には次のような違いがあります。
 twistは「ある物の両端を、それぞれ逆方向に回転させること」を意味するのに対して、wrenchは「固定されている物を力ずくで動かすこと」を意味します。
 wrench a bolt「レンチでボルトを締める、緩める、回す」からもわかりますね。

 

(i) 3. 公差

toleranceは「公差」の他に、「許容誤差」の意味でも用いられます。「公差限界、許容限界」はtolerance limitsです。

1.「飽和」はsaturation。動詞はsaturateで、「飽和させる」です。
 「飽和化合物」はsaturated compound、「飽和溶液」はsaturated solutionです。

2.「拡散」はdiffusion。「拡散係数」はdiffusion coefficientです。
 動詞はdiffuseで、自動詞として「(気体・液体などが)拡散する」、他動詞としては「(気体・液体などを)拡散させる」という意味になります。

 

(j) 2. 位置エネルギー

1.「運動エネルギー」はkinetic energy。「機械エネルギー」はmechanical energy

3.「弾性エネルギー」はelastic energyです。
 形容詞のelasticは「弾性の、伸縮自在の」、名詞のelasticityは「弾力性、伸縮性の」という意味です。

 

今回はかなり高度な語彙・文法を扱いました。何度も復習しておいて下さい。

(参考:工業英語ジャーナル 2007年9月号)